Windowsがインストールされている旧SSDを新SSDに換装して、パーティション管理ソフトを使用してOSごとデータ移行する方法を紹介しています。新旧でサイズの違うディスクに対応しています。
本記事はPRを含みます。
SSDの価格下落が激しい昨今、せっかくだからSSDを新しいものに乗り換えよう、と考えている人は多いのではないか。とはいえ、たとえば、2TBのHDDから思い切って大変お買い得な1TBのSSDに換装するにも、今使っているPCでOSを一から新規インストールして、アプリをインストールしなおして、各アプリのライセンス認証を解除したあと、新SSDでの新規インストールしたシステムで再度ライセンスをアクティベーションして・・・なんて、手間で面倒で、やってられないのではないだろうか。
よっぽど暇なら別だが、通常、仕事している人にそんな時間はない。というか、ニートの暇人ゲーマーでも全部インストールしなおしてライセンス認証はさすがに面倒くさい。普段使っているPCのディスクを新しいものに換装するなら丸っとOSごとコピーし、できるだけ手間を省きたいのが人情というものだ。
また、Windows7世代まではマザーボードを換装してチップセットを乗り換えた場合、新しくOSをクリーンインストールするのは常識だったが、それは過去の話。チップセットが異なっても今のWindows10、Windows11はシステムのクローンで対応できて、トラブルがだいたい無い。だいたいというのは、全部確認したわけではないからだが、筆者はトラブルにあったことがない。なので、Windows10にしてからというもの新規インストールしないで全部システムのクローンで乗り切ってきた。今回もEaseUS Partition Masterを使用してシステムを換装先の新SSDに乗り換えてみようと思うので、参考にされたい。
なお、筆者が今回試みるのは、2TBのSSDから、同様の2TBのSSDへの換装である。この場合、単にディスククローンで通用するが、EaseUS Partition Masterの性能を確かめたいとの意図から、より容量の少ないサイズへのディスクへOSが移行できるか、割と無駄な手順を試みて仮の実験をしているので、ご了承願いたい。
EaseUS Partition Master Trial Editionでどこまでできるかな?
当サイトではお馴染みのEaseUS製だが、どういうわけか無料体験版でほとんど機能制限がない場合がある(無論、その場合は期間が限定される)。なので、今回SSDの換装にあたり、どこまで無料版で出来るのか、実験も兼ねて検証してみたい。
無料ダウンロードをクリックして、すぐにインストーラーがダウンロードできるのでクリックすると以下アプリ画面が起動する。
EaseUS Partition Masterインストーラーから今すぐインストールするをクリック。
ダウンロードとインストールが始まる。正味1分。
今すぐ始めるをクリック。
インターフェースが表示される。インストールは以上だ。
2TBのSSDから、容量の少ないSSDに換装したい場合
筆者の環境における前提と異なるが、Windowsをインストールしているドライブが、乗り換え先のSSDよりサイズの大きなHDDというケースがあると思う。HDDは2TBで、換装先のSSDが512GBなどの場合、通常の意味でのディスククローンはできない。ディスククローンは必ず同じ容量か、クローン先がより大きい容量のものに限られる(最後までお読みいただければこの前提は覆されるのですが、お付き合いください…)。ここでEaseUS Partition Masterは、OSの入ったパーティションクローンに対応しているので、OSのパーティションを512GB以内に収めれば、512GBのSSDに移行できるはずだ。
筆者の例では、前回の記事で、パーティションを切りまくって、OSの入ったパーティションがなぜか716.80GBとなっている。詳しい経緯は省くが、もし、2TBのHDDからOSを512GBのSSDに換装したい場合を仮定して、まずは716.80GBの容量を縮小してみたい。
パーティションの縮小
パーティションマネージャーから、サイズを縮小したいC:パーティションを選択して、拡張/縮小をクリック
同じディスクにあるCドライブ(パーティション)とGドライブパーティションの間のスライダーをドラッグして、Cを縮小すれば、Gが拡張される形になる。パーティションサイズを500GBにしてOKとしてみる。
パーティション(C:)の空き容量が非常に少なくなっています、の赤い表示。筆者のCドライブのデータは400GBオーバーなので、このまま切ると気持ち悪いことになる。もし、512GBのSSDに換装するのであれば、この切り方で良いはずだ。大変申し訳ないが、2TB同士のSSD換装で意味のない切り方をするのも手間なので、私の環境では930GBとして拡張させていただく。
2TBの容量を持て余して、1TBで性能が非常に高いSSDに換装したい場合は、このパーティションの切り方で通用するはずだ。パーティション(C:)を拡張して、ゲームプログラムしか入っていないパーティション(G:)を縮小する。
この状態で、1個のタスクを実行を選択する。
ダイアログボックスが表示されるので、適用をクリック。
無料版はここまでだったか…当然だよね。
アップグレードの案内がポップした。常識的に何の機能制限もなく無料で使えたら商売にならない。ここで素直に事前に用意してあったプロダクトコードでライセンス認証することにした。
ライセンスのアクティベーションに成功。
OSの入ったディスクの操作は、再起動が必要…ん?待てよ…こ、これは!!
先ほどの操作の続きから、以下ダイアログボックスが表示された。
システムが入っているディスクのパーティション操作は、通常は再起動が必要である。これは常識であるが、念のため。(そして、筆者の常識が覆されることになる…。)
再起動後、Boot Modeでの操作となる。EaseUS Partition Masterは大変優秀で、UEFI BIOSでのエラーが一切なく、Windowsが起動完了した。
ここで若干手順が狂ったのか、上記のスクリーンショットでは734003MB⇒671656MBへのCドライブの縮小の操作となってしまった。撮影しながら操作しているので、私の操作ミスの可能性が高い。舌打ちしつつ、もう一度930GBへ拡張の操作を行って、適用を押した。すると…
おやおや、今度は再起動のダイアログボックスが表示されずにプログレスバーが進行しているぞ…
今度はCドライブの拡張の操作で、再起動の必要がなかった。一体これはどういうことか不明だが、OSを含んだパーティションの拡張が再起動せずに可能となった。この異次元の性能がEaseUS Partition Masterの実力ということか。これには驚嘆した。
いよいよOSのクローン
OSの入ったパーティション以外を選択しても、右側のメニューに「クローン/OSの移行」は表示されない。ここで新しく換装予定のM.2 SSDを外付ケースにいれて、PCにUSB接続した。
丁寧にガイドのダイアログボックスが表示された。ここで、OSをディスクに移行をクリックしたいところだ。だが、MBRになっているので、左側のディスククローンから操作をやり直した。
OSの移行操作のインターフェイス。これは驚いた。ディスクを自動調整してくれて、クローン先のパーティションにデータがまるっとクローンされる様子である。もしかして、移行先のディスクサイズに関わらず、事前のサイズ調整が全く必要ないかも知れない。試しに「ソースとしてクローン」の方を選んでみる。
ここに来てようやくサイズを調整した意味が出てくるが、全く深読みすることも必要ないぐらい丁寧な案内と言える。この記事を事前に読んで移行を試みる方は、まずは左側メニューのディスククローンをクリックして案内表示に従って操作するだけで良いはず。私のような余計な手間をかけなくて済むようである。ここではせっかくサイズ調整したので「ソースとしてクローン」でいきたい。開始をクリック。
再起動の必要もなく、操作が始まる。SSD同士だけあって速かったが、400GBのデータで20分ぐらいはかかった。
完了すると2つの手順がポップで表示される。同じスロットにしてBIOSで起動順位を変更する案内である。
この後は、SSDをCドライブとして接続して、BIOSの起動ディスクを新しく付け替えた方のSSDに設定する。なお、BIOSの起動ディスクの設定は絶対必要だ。
SSDの入れ替え完了!でもどっちがどっちだかわかんない!!
筆者は新SSDを旧SSDのM.2スロットに挿し直して、尚且つ、マザーボードの空いているM.2スロットに旧SSDを換装した。この状態で起動すると、BIOSで設定したとはいえ、どちらのSSDからOSを起動しているか分からなくなる。だが、OSが無事起動した後、落ち着いてEaseUS Partition Masterを起動すれば判別できる。
OSの入っているディスクにWindows窓アイコンが表示されているので一目瞭然。どちらがどちらかはSSDの製品型番で区別しよう。
一応、新SSDが初期不良品の可能性が稀にあるので、気になる方はWindows 10でディスクエラーをチェックする方法という記事を参照されたい。ここでは割愛する。
旧SSDからOSを削除して、部分的に初期化するには?
後始末として、旧SSDのシステムパーティションは必要なくなるので、削除してGame用パーティションを拡張したいところだ。通常のWindowsのみの操作だと、いったんはフォーマットする必要がある。フォーマットとはなんぞやという方はminiSDカードとは?それをフォーマットする方法は?という記事で紹介されている。このリンク先の方法でまっさらにしてもいいのだが、せっかくEaseUS Partition Masterがあるので、最大限にソフトウェアの性能を駆使していきたい。
要らなくなったパーティションを選択して、右側のメニューから削除をクリック。
はいを選択。このときまだ操作が適用されないので安心して欲しい。同様の操作で要らなくなった残りも削除。
ゲームプログラム用のパーティションを残して削除設定したあと、右側のメニュー「拡張/縮小」でパーティション(G:Game)を拡張する。
目一杯スライダーをドラッグして、全領域にサイズを拡張しよう。
OKをクリック。
右側下の「5個のタスクを実行」をクリック。
果たして正味1分であった…。
完了をクリック。
新SSDの未割り当てをフォーマットしたい。超簡単だ!
仕上げに、新SSDの未割り当てのパーティションも活用したいので右側のメニューから「作成」をクリック。
筆者は新旧ともゲームプログラム用に使う前提でSSDを買い増しているので、パーティションラベルはとりあえずGame2とした。ドライブレターはG:の次はH:でいいと思う。OKをクリック。
1個のタスクを実行をクリック。
適用をクリック。
これは滅茶苦茶速い。10秒かからなかった。完了でフィニッシュ!
最後に~ディスククローンはもはや誰の手でもできる。
従来の常識では、SSDやHDDのOSを含んだディスククローンは、同じ容量か、より大きな容量の移行先しかクローン出来ないものであったが、EaseUS Partition Masterは、たとえば、2TBのHDDから1TBのSSDへの移行だとしても、事前にパーティションを縮小する必要もなく、使用容量を上回っていれば、自動調節機能で簡単にディスククローンができることが判明した。また、どういうわけかOSを含むパーティションの拡張も再起動なしでできる。Windowsの性能からしてそんなことはできない、遠い未来の話だと勘違いしていたが、EaseUS Partition Masterにかかると魔法のように簡単にパーティションの操作やクローンができる。
今回はとりわけBIOSのエラーもなく、全てにおいて不具合がなかった。驚嘆すべき性能である。これはこのことで困っている人がいたら、私も人に勧めると思う。また、今回は紹介しなかったが、ワイプ操作でデータが復元できないローレベルフォーマットも可能なので、旧ディスクを破棄する場合は一考されたい。一家でPCの4台5台持ちも当たり前の時代である。そうなるとディスク換装に伴うパーティション管理ソフトは意外と出番が多い。そんな方に、今回のこの記事が参考になれば幸いである。