今PCに表示されているこの画面のこの部分を録画したいんだよ!
PC画面撮影のレコーダーアプリを紹介をしています。
本記事はPRを含みます。
PCスクリーンのレコーダーの需要はコロナ禍の昨今、リモートワークの普及が加速して劇的に増えているのではないだろうか。それは必ずしもコンピューターリテラシーの高くない方も同様で、ZOOM会議やらLINE会議やら、筆者の親もPCがあまり上手く操作できないなりに頑張って参加している様子である。
これらのWebビデオチャットはもちろんスマートフォンでも可能ではあるが、仕事の会議をスマホで、というわけにはいかない。仕事の場合、部下や上司に伝達する場合などに許可を取って録画しておかなければならないケースもあるだろう。
その際必要な箇所だけに尺を区切ってトリミングできたら、有能なビジネスマンといったところだろうか。会議に30分参加して本当に必要な箇所は5分ぐらいしかないということは往々にしてある。
筆者の場合、オンライン講義やeラーニング教材で期間が決められているものを視聴する際、画面を収録させてもらっている。
特にライブ配信の場合、1回ぽっきりなので、有料で受講していても聞き逃したら一巻の終わり、というケースがある。モノによるだろうが、eラーニングで一度動画を視聴しただけで全部理解できるなんてことは稀である。動画を繰り返し再生して何度も操作して習得する、という形になる。配信期間以内に全部終わるかというと忙しい方は特に難しいのではないだろうか。筆者も例外ではなく、また、一度で期間内に覚えるというプレッシャー回避のためにもやはり録画は必要になる。
巣ごもり需要で非常に伸張した産業が各ネット動画配信サイトである。映画などの著作物は私的利用の範囲を超えて録画したりダウンロードするのは違法の可能性があるが、著作権利者の利益を損なう被害を与えない限定的かつ個人的な用途であれば、自己責任の範囲で撮影しておきたいことはありうる。お気に入りのYouTuberのライブなど、二度と観られない生配信は個人で楽しむ範囲でお宝コレクションにしたいケースが想定される。
また巣ごもりで伸張した産業にはビデオゲーム産業もある。筆者もPCゲーム環境を整えるのに一切の妥協をしない質であるが、まさに今この瞬間のナイスプレイを録画しておけばよかった!なんていう場面は頻繁にある。
映像コンテンツを作成する立場の方ならよく分かると思うが、PC操作のチュートリアル動画を撮影する場合でも、撮影の段階で狙った画面を的確に撮影できなければ映像編集の際に膨大な作業時間が発生する。筆者の場合、1分の動画を3本作成するのに1日の業務時間以内では到底終わらなかった。これに関しては収録するときの工夫次第で時短が計れる。
今回この記事では筆者の知りうる限り画面収録としては最高性能のEaseUS RecExpertsを紹介する。本記事で各アプリを比較検証する記事も考えたが、そもそもEaseUSが自らの記事で画面撮影するライバルのアプリを諸々紹介しているので、それぞれのOSごとに参照されたい。
上記Windowsの記事の中で一つだけ紹介すると、Windowsの場合は、標準機能で、Xbox Game Barという画面キャプチャーが内蔵されている。しかしこれは、正直いって非常に簡易的な代物である。前述の「狙った画面を的確に撮影できる」かといえば、性能不足が否めない。
録画範囲が自由には選べないため、ネット上で公開する動画として編集する際にはめちゃくちゃ苦労するだろう。しかも苦労の果て、そもそも素材の時点で収録した画面の文字がぼやけるので、クオリティが残念な動画に仕上がる。
筆者が一番録画する機会の多い場面はオンライン講義であるが、範囲が指定できないので個人で使用する場面においてもこれでは使い物にならない。
その点、macOSでの画面録画の場合は、標準機能での録画は画質は非常に綺麗で、加工する際も遜色のないものが作れる。ただし、こちらも簡易的な機能であるので、「狙った画面を的確に撮影できる」かというと、専用のアプリを使った方が後々の労力を回避できる。Windowsと違って録画範囲を指定できるが、実際にやってみれば分かるが、意外と使い勝手が悪く、やはり実用的とはいえないのである。
一例に出すと、同じサイズのオンライン講義の録画ビデオの撮影範囲がバラバラ、等々。観られればいいじゃん!という方はそれで良いかもしれないが、撮影する際も都度範囲選択してその範囲がピクセル・アスペクト比そろわずばらけるというのは結構なストレスである。観る分には良くてもかっちりしたものを提出するような動画編集となると思わぬ手間が発生する可能性がある。
前述のOS基本機能では実現できない、「狙った画面を的確に撮影できる」ソフトが今回紹介するEaseUS RecExpertsである。本記事ではWindows版しか検証していないが、macOS版もある。
以下ボタンから公式サイトへのリンクとなっている。
基本的な使い方の紹介をしようとも考えたが、インターフェイスが洗練されていて、見た瞬間に操作方法が分かるレベル。『設定』の項目に記されている日本語が若干怪しいが、純和製ではないので、ご愛敬といったところ。
無料版は1分を超える動画を撮影しても1分までの再生にロックされるので、1分以内の動画しか保存および活用できない。有料のライセンス版では無制限である。
とはいえ、決して安くないソフトなので、本記事を読み終わったらまずはご自身で活用するシチュエーションで実用に耐えうるものかどうかを一通り検証してみることをおすすめする。
なお、本ソフトの無料版でウォーターマーク(ロゴの透かし)が付加されるといった情報もあったが、筆者が検証した限りでは現在無料版でウォーターマークが付加されている様子はない。
このソフトの無料版の範囲で、録画された映像の画質を確認することができるが、録画映像が綺麗。素晴らしい。
YouTubeやゲーム配信のストリーミングを視聴していると、映像の非可逆圧縮技術であるMPEG独特のブロックノイズが走る経験を思い出して欲しいのだが、MP4の録画形式でそれが全く感じられない。ビデオコーデックの規格とか仕様上で筆者はある程度は仕方ないと納得していたのだが、どういうわけか無劣化のPrintScreenと同じレベルで劣化が感じられないのだ。これは従来のビデオキャプチャーの常識を覆すソフトウェアなのではないか。
逆にいうと、元々の配信自体にブロックノイズが乗る場合は、その絵を正確に録画する仕様となるため、もし映像に劣化が感じられるとすればインターネット回線の帯域が細くなっているなど、EaseUS RecExpertsの性能以外のものだろう。
画質は設定から選べて、3種類ある。
- 標準(スペース節約)
- 高画質(デフォルト)
- 元の画質(高画質)
上記3種で、ちょっと日本語の意味が伝わりにくいが、『元の画質(高画質)』が最高画質という意味である。
この『元の画質(高画質)』を簡潔に表現すると、ディスプレイに表示されている絵を、ほぼ無劣化でそのまま記録できるのがEaseUS RecExpertsである。今ディスプレイに出力されている表示なのか、レコーディングされた映像なのか、筆者の4Kディスプレイでは区別がつかない。これは驚嘆に値する。
マウスカーソルを録画するかどうかも選べる。
ここで1点、本ソフトウェアにダメ出しをすると、マウスポインターを大きく表示するアクセシビリティ機能がWindowsにはあるが、カーソルの大きさの設定は残念ながら記録できなかった。一律の大きさで記録され、コントロールできない。映像資料を作るときにわざとマウスカーソルを大きくして撮影したいのであるが、それは現時点では出来ない表現となる。これは今後の課題だろう。
狙った範囲を録画することもできる。自由自在のサイズ感で録画できるうえ、今自分が横縦「何ピクセル×何ピクセル」で撮影しようとしているのかがきちんとわかる。また、16:9や4:3のよくあるビデオ規格に準拠したサイズは エリア⇒ ピクセル数 ⇒レコード範囲から選べる。こちらは決まったサイズの範囲を固定したまま中央グリッドボタンをドラッグして撮影したい対象の狙いを定めることができる。
スクリーンレコーダーの機能としては上述で大体網羅されていると思うが、EaseUS RecExpertsにおいてはもう一点、ユニークなアノテーションという機能がある。
これは録画しながらその録画範囲の画面にホワイトボードにマーカーしているかのような注釈を加えて記録することが可能なのである。
筆者の頭の中で閃いたのが、これでビデオチュートリアル教材を提供する側になれる、ということ。これは色々な可能性が秘められている。無料版でもアノテーションは試せるので、もしPC操作画面を使って教授する側の立場の読者がいたら、どんな操作性か試してみることをおすすめする。
この機能はコンテンツ制作業務に携わる筆者にはガツンと響いた。強いて言えば、すでに録画したものにアノテーションをさらに追加できれば文句なしだが、それは録画したものを再生して、それを本ソフトで録画しながらアノテーションしてやれば不可能ではない。
学校の先生ならば、PCの録画を再生して生徒に見せながら、解説もマイクで本ソフトで録音しつつ、そのディスプレイをさらに録画しながらアノテーションすれば立派な教材の完成である。すまぬ、筆者の語彙力不足で何を言っているのかわからないかもしれないが、その場合はアノテーション機能を実際にお試しあれ。百聞は一見にしかず、である。
EaseUS RecExpertsでは記録するフレームレートを選べる。
デフォルトでは24fpsだが、標準的なPCのディスプレイ60Hzに合わせた60fps、そしてHDMI規格の現在の上限120Hzに対応した120fps、ゲーミングディスプレイ用の144Hz以上で表現できる144fpsで記録できる。これは自分のゲームプレイ動画を綺麗にコレクションしたい人にとっては待望の機能であろう。筆者はスクリーンレコーダーの類いでフレームレート144fpsの記録が実現できるとは全く知らなかった。
ただ、この144fpsという数字について説明すると1秒間に144枚の「絵」を描画するというのが144fps(フレーム毎秒)であるが、通常のPC用ディスプレイでは60Hz、つまり1秒間に60枚の映像しか投影できないので、録画できたとしても出力できる環境がなければあまり意味がない。
オレは144fpsで動画配信するYouTuberの先駆けになってやるぜ!
144Hz配信を意気込むのは勝手だが、2022年現在YouTube自体が60fpsまでしか再生に対応していない。EaseUS RecExpertsの性能を活用して自前のサーバーにアップロードして自分のサイトで無理矢理144fpsの動画を掲載することは一応可能であるが、映像を再生する側のPCディスプレイが60Hzだと全く意味がない。
なので、普段から高フレームレートでゲームプレイを楽しみ、その娯楽の一環として144fpsで記録する分には有意義であるが、現状、他の人に共有するにはちょっと時代が追いついていない。10年後のPC用ディスプレイが144Hz標準化とか、あり得なくはないが予測しがたい近未来感たっぷりの話である。
なお、テレビで観るような放送用の映像は24~30fpsを超えて記録してもファイルサイズが大きくなるだけで意味がないので、よく分からない人は設定を変えない方が吉である。
また、医学的には人間の視覚は60Hzを超える映像を知覚できないとされている(異論は認めよう、eスポーツではやはり100Hzを超える描画性能はあったほうが良いし、プレイ時に60Hzとの違いもはっきり分かる。なんならマウスカーソルを素早く動かすだけで60Hzと144Hzではなめらかさが違う)。なので、ディスプレイは60Hzが標準なのである。
では何のための高フレームレート機能なのか、一例を挙げて補足すると、144fpsで撮影すればゲームプレイの決定的瞬間を非常に迫力のある綺麗なスーパースローモーション描画に加工して、表現および提供できるだろう。
EaseUS RecExpertsでは、各動画配信サイトの配信動画を録画することができる。これも無料版で1分まで記録および再生できるので、自分が使ってる動画配信サイトで記録できるか試して欲しい。一番需要がありそうなのがYouTubeの録画であるが、EaseUS自ら解説しているので下記参照あれ。
YouTube映像の中には素材を再加工編集して2次利用可能としている場合がある。ステイホーム推奨の頃はアーティストとのコラボで歌に合わせてダンス映像を付加したりするのが流行った。
EaseUS RecExpertsではアノテーション機能があるので、授業中に教材に使うYouTubeを再生し、それを録画しながら注釈を付けてオンライン授業そのものを録画することもできる。活用の幅は広い。ただし、著作権利者の権利を侵害しないように配慮する必要があるのでご留意いただきたい。
各動画配信サイトの録画については、まずEaseUS RecExpertsを管理者権限で起動した上で、ソフト内の動画配信サイトのアイコンをクリックすると、Google Chromeブラウザーが新規で立ち上がる。この状態が映像の暗号化技術に対応した状態のようである(筆者は標準ブラウザーはFirefoxに設定してあるが、Chromeが立ち上がる)。
各動画配信サイトは当然、暗号化技術が働いているため、OS標準の録画機能などではキャプチャーできない。それが機能的にはキャプチャー可能であるのがEaseUS RecExpertsだ。
筆者はほとんどテレビを観ないので、PCで地上波デジタル放送を記録する裏技については疎い。
DTCP-IPやらB-CASカードやらCPRM、AACSが登場してから久しいが、とにかく不可能になった印象で、物理的に保護技術が関係のない装置を使って録画すること、外部のキャプチャーユニットを使うとか、要するにテレビ画面そのものをスマートフォンのカメラで撮影、ぐらいしか手段がないという認識である。
応援しているアーティストが出る番組など永久保存版にしたくてBlu-ray Disc レコーダーは持っているので、テレビ番組をわざわざPCで録画ないし保存することには興味が薄い。
とはいえ、レビュー記事執筆の関係上、実験可能なことは検証しておこうと思い、PCに出力された正規テレビ視聴用ソフトウェアで再生中の画面を、EaseUS RecExpertsでキャプチャーできるのかは実験した。
絶対無理と決めてかかっていたが、結論、地上波デジタル放送がEaseUS RecExpertsでのスクリーンレコーダーキャプチャーで録画保存できた…(EaseUS RecExperts無茶苦茶やべえぞ!)。
放送が対応しているならもしかして、と思い、Blu-ray Disc映像が録画できるか追加で実験した。さすがにBlu-ray再生ソフトウェアであるPowerDVD 17で再生された市販Blu-ray Disc映像は突破できなかった。Blu-ray再生範囲だけキャプチャー画面が真っ黒である。ただし、Blu-ray Disc再生時の音声は記録できた。
検証に使用したBDプレイヤーソフトPowerDVDはBlu-ray規格団体のライセンスに基づく最も有名な有料プレイヤーソフトである。暗号化に対してセキュアなスタンスがみてとれ、本来こうあるべきである。
市販のBD規格を再生するにはBD再生ソフトウェア提供側がライセンス料を支払う仕組みのため、通常の発想では、Blur-ray Disc再生ソフトウェアはユーザーへの提供にともない有料である。
だがしかし、インターネット上にはどういうわけか無料で市販のBlu-ray Discを再生できるBD再生ソフトウェアというものが存在する。そのうちの1つしか確認していないが、結論を言うと、再生ソフトを選べば、Blu-ray Disc映像はEaseUS RecExpertsにてスクリーンレコーダーキャプチャーで録画保存可能である。
Blu-ray Discにダビングした資産は再生ソフトを選びつつ、BDレコーダーのHDDに記録してある録画はテレビ視聴用ソフトで再生できるし、撮りためてあるアーティストの永久保存版の映像をEaseUS RecExpertsを駆使すれば、特殊な技術も何もなしにPCに録画保存することが可能となる。著作権保護暗号化技術機能云々の前に何も考えないでとにかく普通の操作で記録可能。
PCに保存できるということは、私的用途で尺の調整やオリジナルテロップを入れたり自由に加工することも可能ということになる。
日本においては著作権保護技術を回避した地上波デジタル放送・BS放送・CS放送の録画およびBlu-ray Discのダビングは私的利用の範囲を超えると違法となるので、悪用厳禁である。決して著作権保有者の利益を侵害しないように忠告申し上げたい。(本記事はソフトの性能として可能か不可能かの検証用のみに録画実験したものであり、映像著作物の権利を侵害する意図のものではない)
筆者は検証にあたり、ライセンス版をアクティベートしたので、1分以上の動画が録画可能となった。
そこで普段プレイしているAPEXを4K画質の60fpsで録画してみた。YouTubeインターフェイスの設定(右下の歯車)から画質を2160p60(4K)にして全画面で再生してみて欲しい(やり方がわからない人はこちら参照)。すごく綺麗!読者はこのYouTube映像をEaseUS RecExperts無料版で録画実験して吟味するのも一興である。
なお、筆者のPCではゲームプレイにおいて普通に100fps以上のスコアが出るが、YouTubeアップロードが前提なので、録画ファイルはYouTube仕様上限の60fpsとした。本映像ではGeForce ExperienceのHUDレイアウトが左下に表示されているので、撮影時に描画された正確なFPSは左下の数字を参照されたい。(というかGeForce ExperienceのHUDレイアウトオーバーレイすらも録画できるのは驚き)。
EaseUS RecExpertsでは、録画された映像は冒頭と末尾をトリミング可能である。また、2秒間のオープニングタイトル、クロージングタイトルを付加可能である。今回のYouTubeにもオープニングタイトルを付加してみた。
ただし、これは非常に簡素的な機能で、タイトルとサブタイトルのフォントの色、位置や大きさも変えられないし字数制限もある。動画を編集するソフトを持っているならば他のソフトで編集した方が良いだろう。今回のYouTubeにアップロードしたキャプチャーはあくまでEaseUS RecExperts単独完結にこだわった。
また、EaseUS RecExpertsのデメリットとして、トリミングおよびタイトルの付加ではいちいち全動画範囲まるごと新規ファイルに出力し直す必要があり、劣化はないが4K60fpsの巨大なデータを出力するには撮影時並の時間がかかる場合があることを留意いただきたい。
想像を遙かに超える性能。PC画面レコーダーの真打ち
以上のように、PCのディスプレイとして表現できるものをなんでも録画可能であるので、ゲーム配信、ビデオ教材作成、PowerPointに挿入するビデオチュートリアル、アイディア次第で色々なコンテンツ制作に応用できる。はてまたPCディスプレイに出力できるなら、色々な秘蔵お宝映像の真の永久保存版ライブラリの構築が実現可能となる。
単純に記録できる映像の綺麗さだけでも肩を並べるソフトウェアが2022年時点では筆者が知る限り存在しないので、もし無料版を使ってみてこれは活用できると感じた方、興味を持っていただければ本記事執筆者として感慨無量である。