システムディスクの大容量SSDのパーティション管理が簡単にできる無料アプリを使用して、OSのシステムドライブとデータ用ドライブに容量を区切る方法を紹介しています。
本記事はPRを含みます。
はじめに
筆者が初めてSSDを使い始めたのは2007年だったように思う。HDDとは全くことなる速度に感動して、128GBのシリアルATA接続SSD2機で、わざわざRAID-0ストライピングまでして起動高速化をした記憶がある。
時は流れ、今となってはシリアルATA接続のHDDやSSDの需要が激減、SATAケーブルがゴミのような価格で売られ、市場に余っている状態である。かくして、自作PCでもM.2規格のNVMe SSDが圧倒的に普及しだして、すでに数年が経っている。
筆者は最新技術をふんだんに盛り込んだ3DCGゴリゴリ動かしたいヘヴィ級タイトル大好きなゲーマーなので、当然重量級ゲームをヌルヌルと動かすように記録装置も工夫する。
2016年の発売日、初めてFINAL FANTASY 15をXbox Oneにインストールして動かしたとき、あまりのロード時間の長さに閉口した。ファストトラベルとか言いながらロード画面で2分以上待たされる。結果、Xboxではクリアできなかった苦い思い出がある。
FF15発売からしばらくしてPC版を購入、SSDにインストールして、あまりのロード時間の違いに驚いた。快適に動作するので、ようやくエンディングまで到達できた。2回エンディング到達し、DLCのエピソードアーデンまでクリアして、このFF15の凄さが理解できた。これほどまでの超大作がロード時間の重さでプレイが苦痛というのは勿体ない。ある意味、とても先進的なタイトルであった。以来、HDDにゲームをインストールすることは、データ退避目的以外ではしていない。
前置きが長くなったが、Windows11の時代、M.2 NVMe SSDはPCのシステムディスクドライブとして必須である。そして、NVMe SSDはHDDよりは高価であるので、Cドライブ以外に搭載するのは、なかなかのブルジョアである。アフターコロナの巣ごもり需要がなくなり、転売が通用しなくなった昨今、SSDの値崩れで状況は変わりつつあるが、ここではCドライブ1機しかSSDを搭載していない場合、パーティションを区切って、システムとデータ用で分けると、有効活用できますよ、という提案をしたい。
WindowsのCドライブのパーティション分割に今回使用するツールは、MiniTool Partition Wizardというソフトウェアで、無料でパーティションの分割、サイズ変更、拡張、および結合などに使える。
MiniTool Partition Wizardのインストール
今回パーティション管理に使用するMiniTool Partition WizardはこちらのURLからダウロードする。
インストーラー自体はわずか4MBにも満たないのであっという間にダウンロードが完了する。インストーラーを起動してインストールしよう。
ここでは、本記事で紹介する無料版の方の「無料版のインストールを続行します。」を選択した。
驚くほど簡単にパーティション分割・結合ができる
今回は、OSの入っているシステムドライブが主役だ。なので、いきなりそれを紹介するが、その前に、本当にエラーも何もなくパーティションが切れるのか、特段大切でもないHDDの方で実験はした。あまりにもあっさりパーティション分割ができて、そして再起動も何もすることもなく、結合もできた。結合先と結合元でデータをロストする心配もない。これはイケそうだ、ということで、ある意味人柱ではあるが、さっそくCドライブの分割から紹介しようと思う。
OSパーティションとゲームデータパーティションに分割する
OSの入ったシステムドライブとゲームデータのドライブにパーティションを分割する意義について。ゲームプログラムがより速いSSDにインストールすべきなのは冒頭で紹介したとおりである。そして、世間一般に1台目のSSDは、WindowsのOSを高速動作させるために、システムとして使用するだろう。SSDを1台で運用していく場合、当然、OSプログラム、Word・Excelなどの必須アプリ、それらとゲームプログラムがごちゃ混ぜになる。
筆者はゲームプログラムを容量節約のためアンインストールしたり、衝動買いしたタイトルをさっそくインストールしてみたり、それを繰り返しているうちにCドライブとして本当に必要なサイズ感が全く分からなくなってしまった。
そこで、Cドライブとして必要なサイズでパーティション分割を試みて、それ以外のゲームデータ用にパーティションサイズを割り振ることを思いついた。常識的にまずはCドライブからゲームプログラムを一掃して、サイズを算出してから、空き容量分を分割するのがセオリーだ。しかし時は令和。もっと強引なやり方が通用するのでは?そのポテンシャルをこのMiniTool Partition Wizard Freeに感じたので、とりあえず、ゲームアンインストールはせずに、今いま空いている分をサクッとパーティション分割することにした。
MiniTool Partition Wizard では、ディスク使用状況分析で、どのファイルやフォルダがどれぐらいの占有率になっているか、一目でわかる機能がある。それが以下である。ゲームプログラムの類ばかりであることがわかる。
今回は強引に、これらを消さないで、空き容量分のパーティションを作成する。
そりゃ、そうなるよね…。GPT header corruption has been detected,
CドライブはOSを実行中のため、そのままではパーティションサイズが変更できない。なので、再起動のダイアログボックスが表示される。ちなみに、使用していない通常のドライブは再起動するまでもなく、その場で実行可能である。
何らかのBIOSのエラーがでる。ASUSの場合以下である。
GPT header corruption has been detected, please check SATA mode setting in BIOS Setup, or you can use [Boot Sector (MBR/GPT) Recovery Policy] item under [Boot Configuration] page to recovery GPT header.
ASUS製マザーボードより
GPTヘッダーの破損が検出された場合、BIOSセットアップのSATAモード設定を確認する、あるいは[Boot Configuration] 項の [Boot Sector (MBR/GPT) Recovery Policy] 項目でGPTヘッダーを回復することが可能です。
上記和訳ASUS製マザーボードより
上記表示が出たら、F1キーを押して、UEFI BIOS画面に入り、変更をせずリセット、でWindowsが通常起動するので、壊れているとかいうレベルのものではない。むしろ、ブートディスクの構成を変更すれば、必ず出現する類いのものである。ただ、毎度エラーでは気持ち悪いので、対策はしよう。
上記工程で、BIOSのブートエラーはなくなる。なお、エラーが表示されなくなったことを確認後、BIOSの設定をもとに戻しても大丈夫である。
Windows無事起動!そしてCドライブはこうなった
Cドライブの空き容量が、29.5GBとなった。空き領域はローカルディスク(G:)ドライブとしてパーティション分割が大成功である。Gという割り当てはGameプログラムをインストールするという頭文字としてちょうどいいので、特段変更しないことにした。
むろん、本件はこれでは終わらない。次は、Cドライブにすでにインストールされているゲームプログラムを(G:)Gameドライブにまずは移動して更なる空き容量を確保する。
ここからはSteamの操作となるので、さすがに脱線しすぎであるので、簡単に説明すると、Steamはゲームプログラムを別のドライブに丸っと移動可能である。なので、CドライブからGドライブにサクッと移動。ちなみに、400GBでも物理的には同一SSDであるので、10分もかからず移動が完了した。
残念なのは、ほかのプラットフォームのタイトル。これらはいったんアンインストールしないとインストールドライブを変更できない。Steam以外はだいたいできないので、それだったらアンインストールしてから分割すればよかったかもしれない。
システムパーティションをサイズ変更し、データ用パーティションに結合する
先ほど紹介したMiniTool Partition Wizardの、ディスク使用状況分析で、ゲームプログラムを一掃する。そして次の策は、OSの入ったCドライブのサイズ変更である。
ここで、ちょっと頭をひねった。OSと必須アプリ合わせて、400.55GBとのこと。今後のWindows Updateでの肥大化や、もしや未来に必要になる新アプリインストールのために100GB確保するとして、SSDの速度低下対策として、200GB絶対に使わない領域を確保したい。というわけで、400GB+100GB+200GBで、パーティションサイズは0.70TBとした。そして未割当は433.62GBという感じになる。
大成功!Cドライブをゲームデータドライブと分割が完了!
最後に、Cドライブを分割する意義についてだが、今後、SSDのメインストリームは費用対効果やコストパフォーマンスの関係で2TB~4TBが主流になると思われる。本記事でわかるとおり、OSをインストールするCドライブが2TBというのはややオーバースペックである。筆者はMicrosoft 365のExcelやWord、Accessといった必須アプリケーションソフトウェアや、Adobe Illustrator、Photoshop、Premiereといったアプリケーションもフルインストールしているし、なんならCubaseなんて使いこなせないレベルのソフトまで入っちゃっているが、それでも、OS込で400GBクラスである。やはり2TBは必要ないだろう。そんなとき、本記事で紹介したパーティション分割が活きてくる。
パーティション分割しないで2TBのうち残り300GB(残り15%)の空き領域だとすると、結構危機感がでてきて何もインストールしたくなくなるが、空き領域が変わらなくてもCドライブが残り40%も空いていますよ、というのでは気分が違ってくる。ゲームデータ用のドライブは100%になっても何の不都合もない。実際のところ、SSDの空き領域有効活用という点においてはパーティション分割はメリットしかない。HDDとSSDは仕組みが違うので、特定の領域ばかり書込みが発生し寿命が縮まるということもない。物理的にパーティション分割が寿命に影響することはない。
そんなわけで、OS標準ツールでは実現できない、その上パワフルな今回の無料ソフトでのディスク管理の紹介であるが、なるほど!と思った方はMiniTool Partition Wizardを駆使してシステムのSSDを有効活用していこう!
[…] 筆者の例では、前回の記事で、パーティションを切りまくって、OSの入ったパーティションがなぜか716.80GBとなっている。詳しい経緯は省くが、もし、2TBのHDDからOSを512GBのSSDに換装したい場合を仮定して、まずは716.80GBの容量を縮小してみたい。 […]